近年、乳がんにかかる女性が増加しています。また、乳がんの特徴として、若い世代からかかる一が増加する傾向があります。
しかし、乳がんは早期発見・早期治療で治る可能性の高いがんです。そのため、定期的な乳がん検診とセルフチェックが重要です。
乳がんにかかった人(2010年) |
全国で76,041人 女性のがんの1位 |
2005年は50,695人、5年で約1.5倍に増加! 日本人女性の約12人に1人がかかる! |
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乳がんで死亡した人(2013年) |
全国で13,148人 女性のがんの5位 |
かかる人数は1位だが、亡くなる人数は5位。 早期発見・早期治療で治る可能性が高い! |
乳がんにかかる年齢 | 30歳代から増加し、50歳前後がピーク | 仕事や子育てに忙しい世代からかかる人が増加! |
40歳以上 | 未婚の人 | 高齢出産の人(出産をしていない) | 初潮が早く、閉経が遅い人 |
肥満の人(閉経後) | 血縁者に乳がんになった人がいる | アルコールをたくさん飲む人 |
上記の危険因子の他にも、原因はまだはっきりとは分かってはいませんが、高脂肪、高カロリーの食事をよく摂っている方も乳がんにかかりやすいと言われています。
女性の胸は年齢、時期によって様々に変化します。生理前には胸が張っているように感じたり、授乳期には母乳が出たりします。また、若い人の乳房と高齢の人の乳房でも違いがあります。
このように変化をする自分の乳房の正常の状態を把握しておくことは非常に重要です。普段の状態を知って初めてがんの症状に気付くことが可能となるのです。
「セルフチェックしているから乳がん検診は行かなくても大丈夫」これは大きな間違いです。
乳がんは早期に見つけ、早期に治療をすれば治るがんです。しこりになる前に見つけ、治療するとより治りやすくなります。セルフチェックでしこりが見つかってからでは遅いのです。それはすでに「がんが判るほどに進行してしまっている」ということなのですから。
まずは、定期的に乳がん検診を受けて自分の正常な状態を把握し、その後でのセルフチェックで常に胸の状態を見守ることが大事です。
自覚症状がなくても、1年に1回は乳がん検診を受けることをおすすめ致します。
原因が分かっていないだけに、乳がんになることを避けることは非常に難しいです。ですから、避けられない乳がんを早くに見つけて治療し、治してしまうのが現在出来る1番の方法です。欧米では乳がん検診を80%以上の人が受けており、年々死亡率が減少してきています。早期に見つけて治療すれば、治るという証拠です。
早期に発見して適切な治療を受ければ大部分の人は治ります。しかし、発見が遅かったり治療を受けずにいると、がんは周囲の組織に広がり、リンパ管を通ってわきの下(腋窩:えきか)や鎖骨の上のリンパ節、さらにがんが直接血管の中に入り、骨、肺、肝臓、脳などの臓器に転移して、命が脅かされることになります。
このような事態をできる限り防ぐためには、乳がんを早期のうちに発見してできるだけ早く治療を開始しなければなりません。
乳がんの進行度(臨床病期分類)は、しこりの大きさ(Tumor)、リンパ節への転移(Node)、乳房から離れた臓器への転移(Metastasis)の3つの要素によって決まります。
進行度は大きく0~4期の5段階に分類され、病期の数字が大きくなるにつれて完治する確率が下がります。しこりの大きさが2cm以下で、リンパ節や全身への転移がない0期と1期が早期乳がんです。検診で0期の段階で見つければ、ほぼ100%治ります。
■病期分類(TMN分類)法
病期 | 大きさ(T) | リンパ節転移(N) | 転移(M) |
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0期 | Tis(非浸潤がん) | ||
I期 | 2cm 以下 | なし | なし |
II期 | 2.1 ~ 5cm | 大きさが2cm以下でも腋のリンパ節転移が疑われるもの | なし |
IIIa期 | 5cm 以上 | 5cm以下でも腋の下のリンパ節への転移が強いと思われる | なし |
IIIb期 | 大きさ関係なし | しこりが胸壁固定か、皮膚に顔を出し、むくんだり、崩れたりしている | なし |
IIIc期 | 腋の下と胸骨傍のリンパ節、または同側鎖骨下、または同側鎖骨上のリンパ節転移 | なし | |
IV期 | 骨、肺、肝臓、脳などの臓器に転移している段階 |
乳がん取扱規約第15版